（6141）DMG森精機は、2026年をめどに超音波加工機（ULTRASONICシリーズなど）の生産能力を現状比で約30％強増強する計画である。これは、生産拠点の設備改修および新設備の追加導入を通じて実施される見込みで、米国・日本・ドイツなど複数地域にまたがる既存拠点を対象にする可能性が高い。

この増強は、高硬度素材や脆い素材（セラミック、ガラス等）での加工精度・効率を求める顧客からの需要が増していることを背景としており、ラーニングコストと付加価値の高い加工機ビジネス拡大を狙う戦略だ。ULTRASONIC最新世代のモデルを含め、加工安定性向上、切削抵抗低減、全体のサイクルタイム短縮を念頭に置いた設計改良も伴うことが同社の中期経営計画から読み取れる。

直近の通期会社予想（2025年12月期）では、売上収益5,100億円（前期比約5.7％減）、営業利益380億円（同約13.1％減）、親会社株主に帰属する当期利益200億円（同約159.7％増）を見込んでいる。第２四半期（中間）決算では、売上収益227,487百万円（前年同期比約13.7％減）、営業利益6,509百万円（同73.0％減）と減収減益が目立っており、利益率の回復が通期見通しを達成する鍵となる。