注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/6 16:03
    (7013) IHI 26年3月期純利益を上方修正 民間エンジン好調で過去最高益へ
    原子力防衛事業も拡大、受注高は1兆8500億円に増加

    (7013)IHIは6日、2026年3月期の連結純利益(IFRS)が前期比11%増の1250億円になる見通しだと発表した。従来予想から50億円上方修正し、過去最高を更新する見通し。民間航空機エンジンのアフターマーケット需要が想定以上に伸びたことが寄与した。事前の市場予想(1235億円)も上回った。

    同社の上期(2025年4〜9月期)業績は、売上収益7136億円(前年同期比5.8%減)、営業利益694億円(同10.1%減)、純利益559億円(同42.2%増)だった。為替円安の反動や一部海外事業の採算悪化で減益となったが、航空エンジンの部品販売や防衛関連の受注拡大が下支えした。

    通期の売上収益予想は1兆6400億円(前期比0.8%増)、営業利益1600億円(同11.5%増)を見込む。航空エンジン防衛を中心に収益体質の改善が進んでおり、営業利益率は約10%台に向上する計画。1株当たり利益は117円49銭。

    事業別では、民間エンジン整備工場の増設など生産体制の強化が進み、2030年代には売上6000億円規模を目指す。防衛分野でもロケットモータや無人水中航走体(UUV)の拡販を進める。原子力機器では再稼働や再処理事業が堅調で、バックエンド分野の売上も拡大する見込みだ。

    受注高は600億円上方修正し、過去最高の1兆8500億円を見込む。構造改革で収益性が改善し、安定収益基盤の社会基盤事業や産業機械事業も利益を確保している。中間配当は1株70円(株式分割前換算で)。

    IHIは2023年度からの中期経営計画「グループ経営方針2023」を進めており、民間エンジン・防衛原子力を「成長の三本柱」として収益拡大を狙う。社長の井手博氏は「構造改革を完了し、次年度からは新たな成長ステージに入る」としており、資本効率の改善と成長投資を両立させる方針だ。

    IHIは航空エンジン防衛原子力など成長分野で高収益体質が定着しつつある。上方修正幅は限定的ながら、受注残の厚みと構造改革効果が業績の底堅さを示す。PER水準にも割安感がある。

株式情報更新 (11月7日)


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