注目銘柄

    マイクロソフト、オープンAIを公益法人化へ 出資評価額5,000億ドルで協業再構築
    マイクロソフトとオープンAIとの関係再編が正式に発表された。両社は28日、オープンAIを「公益目的会社(PBC)」として組織転換することで合意した。これにより、同社の株式公開への道が開かれ、評価額は5,000億ドルに達した。マイクロソフトは引き続き27%(約1,350億ドル)を保有し、2019年以降の累計投資138億ドルの約10倍の価値を手にした形となる。

    マイクロソフトは2019年の出資時から、オープンAIの主要クラウドインフラ構築を独占的に担ってきたが、今回の合意によりこの独占権を放棄する。代わりに、オープンAIは2,500億ドル相当の「Azure(アジュール)」クラウドサービスをマイクロソフトから購入する長期契約を締結し、両社関係は対等なパートナーシップへと進化する。

    この再構築は、チャットGPTの爆発的普及後に生じた資本調達面の制約を取り除くものであり、オープンAIの成長に弾みをつける可能性が高い。一方で、マイクロソフトは2032年まで、オープンAIが汎用人工知能(AGI)を実現した場合にも、同社の製品やモデルへの一定の権利を保持する条項を残した。

    株価は28日、前日比1.98%高の542.07ドルと上昇。市場では「独占から協業への移行が、長期的なAI収益化を後押しする」との見方が広がっている。

    オープンAIの公益法人化は、マイクロソフトの出資価値を実質的に確定させたうえで、新たな収益契約を生み出す構造転換だ。短期的にはAzureへの大型需要が業績を押し上げ、中長期ではAGI開発への関与継続が戦略的優位を維持する。AI関連の長期成長を織り込む局面として、押し目買い余地は大きい。

株式情報更新 (10月28日)


会員ログイン

パスワードを忘れてしまった場合

申込みがまだの方