（4008）メタウォーターは、ドイツの水処理エンジニアリング企業E&P Anlagenbauを買収した。欧州の上下水処理市場でエンジニアリング力を強化し、インフラの老朽化更新需要を取り込む狙いだ。同社はすでに北米で半導体向けの産業ガス販売が伸びており、インドでも鉄鋼業向け酸素製造プラントが新たに稼働するなど、海外での事業拡大を本格化させている。環境技術を軸に水とガスの両分野で収益源を多角化する構えだ。

2025年3月期の連結売上高は1兆758億円、営業利益752億円、純利益490億円と過去最高益を更新した。主力の国内上下水処理事業に加え、海外案件が業績を押し上げた。為替の円安基調も利益に寄与した。財務基盤は安定しており、自己資本比率は高水準を維持している。

続く2026年3月期は、売上高1兆1500億円、営業利益840億円、純利益530億円を予想しており、2期連続での最高益更新を見込む。E&P買収による欧州展開の寄与や、北米での半導体需要を背景とした産業ガス事業の拡大が業績を支える見通しだ。1株配当は前期と同水準の75円を計画しており、安定的な株主還元姿勢を維持する。

グローバルな水・環境ソリューション企業としての地位確立に向け、海外M&Aと新興国投資を軸に成長を図る戦略が鮮明だ。市場では、持続的な利益成長と安定配当を両立する銘柄として評価が高まりつつある。