注目銘柄

    注目銘柄 2025/9/18 07:15
    (1333) マルハニチロ 事業レベルのサンマ試験養殖に成功、世界初
    (1333)マルハニチロは、グループのマルハニチロ養殖技術開発センターがふくしま海洋科学館の協力を得て、サンマの試験養殖において出荷目安である1尾100グラム超まで成長させ、さらに事業化を想定した飼育密度での水槽養殖にも成功したと発表した。

    背景には、天然サンマの漁獲量が2008年の35.5万トンから2021年には2.0万トンへと激減し、卸売価格も2008年の65円/kgから2021年には621円/kgと高騰してきた事情がある。サンマはDHAやEPAを豊富に含む青魚であり、食文化・健康志向双方で需要が強いため、安定供給のための養殖化への期待は高い。

    この成果の意義は大きく、養殖魚としてクロマグロ、ブリ、カンパチ、マダイなどで長年培った種苗生産・養殖技術をサンマへ適用し、実際に高密度飼育で死滅や成長遅れを抑えた点にある。ただし、完全養殖の実用化、コスト構造や飼料効率、養殖魚として市場で天然品とどう差別化され受け入れられるか、味や脂のり、流通コストなどの品質管理が今後の課題となる。

    決算見通しへの影響としては、サンマ養殖の成功そのものが現時点で売上や利益の即席の大型ドライバーになるとは言いがたいが、水産資源セグメントでの技術革新の証左として市場の期待を集めやすい。

    2026年3月期通期の業績予想を修正しており、営業利益を従来の270億円から300億円へ引き上げた。売上高の予想は1兆800億円で据え置いている。経常利益は260億円から290億円へ上方修正し、親会社株主に帰属する当期純利益は175億円を見込んでいる。

株式情報更新 (9月17日)


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