（4544）H.U.グループホールディングス傘下の富士レビオは、年内にもアルツハイマー型認知症を血液で診断できる検査薬を日本で承認申請する。対象となるのは患者の血液から疾患の進行度を把握できる体外診断薬で、従来の脳脊髄液の採取や高額なPET画像診断に依存してきた診断方法を簡便化する可能性がある。

採血のみで判定できるため患者への負担が小さく、検査費用の低減も見込まれる。米国では今年5月に承認を取得しており、日本でも普及すれば早期診断と治療介入を加速させる一手となる。

アルツハイマー病は脳内に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる異常たんぱく質が蓄積することが知られており、富士レビオの新検査薬はこれを血液から間接的に評価できる。日本は高齢化が急速に進み、厚生労働省は2025年に65歳以上の5人に1人が認知症になると推計している。血液検査の普及は、進行抑制薬や生活習慣改善の効果を最大限に発揮させるためにも不可欠であり、医療や介護分野に大きな波及効果が期待される。

H.U.グループは臨床検査事業を核に成長してきたが、富士レビオの認知症領域参入は新たな収益源となる可能性がある。

2026年3月期 連結業績予想

売上収益（売上高）：2,520億円（前期比＋3.7%）

営業利益：80億円（前期比＋203.0%）

経常利益：60億円（前期比＋26.5%）

親会社株主に帰属する当期純利益：55億円（前期比＋99.2%）

配当：年間125円（中間62円、期末63円）