（5016）ＪＸ金属は、オーストラリア南東部のミネラルサンド鉱床開発プロジェクト「Copiプロジェクト」参画に向け、現地企業RZリソーシズが権益を100％保有する同案件で段階的に2,000万豪ドル（約18.5億円）を拠出し、権益5％を取得する契約を締結した。追加で500万豪ドル（約4.6億円）の拠出や権益転換付ローンも検討されている。2030年前後の商業生産開始を目指す方針だ。

本プロジェクトはジルコン、モナザイト、イルメナイト、ルチルなどのレアメタル・レアアースを長期にわたり確保できる可能性が高い。これらは半導体材料や情報通信材料など、ＪＸ金属のフォーカス事業に不可欠な原料であり、同社のサプライチェーン強化と競争力維持に資する。地政学的にも安定したオーストラリアでの権益取得は、世界的なレアメタル争奪戦が激化する中、安定供給体制構築の一環といえる。

2026年3月期連結業績見通しは、売上高7,400億円（前期比4％増）、営業利益950億円（同16％減）、最終利益580億円（同15％減）となる予想だ。米国の関税強化や円高進行が利益を圧迫する見込みで、資源・精錬部門の収益悪化が主因となる。