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    【米国株式市況】ホルムズ海峡リスクが重荷、ダウ反落もオラクル急騰と半導体高でナスダックは小幅高
    最大の市場変動要因は、中東情勢の緊迫化が再び意識され、原油高と長期金利上昇が主力株の重荷になったことだ。イランが徹底抗戦の構えを崩さず、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引くとの警戒が根強いなか、11日にはイラン周辺で3隻の船舶が攻撃を受けたと報じられ、投資家心理は朝方に大きく悪化した。ただ、その後はソフトウエア株や半導体株に買いが入り、ナスダックは辛うじてプラス圏を確保した。

    NYダウ平均 47,417.27(-289.24)
    ナスダック 22,716.14(+19.03)

    米国時間3月11日の米株式市場は、指数ごとの明暗が鮮明だった。ダウ平均は朝方に500ドル超下げる場面があり、その後下げ幅を縮めたものの反落した。一方、ナスダックは一時売られたあとに切り返し、小幅高で引けた。市場全体ではリスク回避が優勢だったが、個別材料の強い銘柄に資金が向かい、全面安にはならなかった。

    マクロ面では、WTI原油先物が88.08ドルまで上昇し、米10年債利回りも4.228%へ上昇した。原油高はインフレ再燃への警戒を呼び、金利上昇はバリュエーションの高い株の重荷になりやすい。今回の相場は、地政学リスクの高まりが原油を押し上げ、そこから金利高を通じて株式市場に圧力をかける構図だった。とりわけダウ平均のように景気敏感株や金融株の比率が高い指数には逆風が強かった。

    それでもナスダックが小幅ながら上昇したのは、ソフトウエアと半導体の一角が相場を支えたためだ。最も目立ったのはオラクルで、前日比9.18%高と急伸した。決算発表後の評価が高まり、クラウドAIインフラ需要の拡大期待が改めて買い材料になった。大型ソフトウエア株ではセールスフォースが軟調だったものの、オラクルのインパクトは大きく、ナスダックを下支えした。

    半導体株も全体としては底堅かった。フィラデルフィア半導体指数は0.63%上昇し、地合いの悪さの割にしっかりした動きだった。タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリングは2.15%高、インテルは2.56%高、アプライド・マテリアルズは1.50%高、ラムリサーチも1.69%高となり、設備投資や先端半導体需要への期待が根強いことを示した。エヌビディアは0.66%高、AMDは0.78%高にとどまったが、原油高と金利高という逆風の中でプラス圏を維持した点は強い。アームは0.37%安、ブロードコムは0.29%安とやや重かったものの、半導体全体としては買いが優勢だった。

    マグニフィセントセブンでは強弱が分かれた。テスラは2.15%高と上昇率が目立ち、短期資金の買い戻しが入った。アルファベットは0.54%高、メタは0.12%高、アップルはほぼ横ばいと底堅かった。一方で、マイクロソフトは0.21%安、アマゾンは0.78%安となり、クラウド大手の中でも選別色が強まった。要するに、この日のナスダックは指数全体が強かったというより、オラクルや一部半導体株の上昇でかろうじて支えられた相場だった。

    ダウ構成銘柄では下落銘柄の広がりが目立った。ホーム・デポは1.76%安、ビザは1.73%安、ボーイングは1.68%安、ゴールドマン・サックスは1.20%安、キャタピラーは1.26%安と、景気や消費、投資活動に敏感な銘柄群がそろって売られた。ウォルマートも1.30%安、プロクター・アンド・ギャンブルは1.72%安とディフェンシブの一角まで弱く、幅広い売りがダウ平均の戻りを抑えた。

    一方で、エネルギー株は原油高の恩恵を受けた。シェブロンは2.95%高と、ダウ構成銘柄では数少ない大幅上昇銘柄となった。ホルムズ海峡を巡る緊張で供給不安が高まる局面では、石油メジャーが買われやすい。原油高が続く限り、エネルギー株は相対優位を保ちやすい地合いだ。

    ダウ平均への寄与でみると、最大のマイナス寄与銘柄はゴールドマン・サックスだったとみられる。下落率は1.20%と極端ではないが、株価水準が高いため価格加重平均であるダウへの押し下げ効果が大きい。投資銀行株は地政学リスクの高まりと市場変動の大きさを嫌気されやすく、この日のダウ反落を象徴する銘柄だった。反対に、プラス寄与で最も目立ったのはシェブロンだ。前日比2.95%高と2%を大きく上回る上昇で、原油高メリットを最も素直に織り込んだ。ダウ銘柄で2%以上動いた銘柄として、シェブロンは必ず押さえておく必要がある。

    この日の市場構造を整理すると、地政学リスクの高まりで原油と金利が上昇し、ダウ構成の景気敏感株が売られた一方、個別好材料を持つオラクルや半導体の一角がナスダックを支えたという流れだ。市場は全面的なリスクオンでも全面的なリスクオフでもなく、テーマ株と資源株に逃げ込みながら、それ以外を売る選別相場に入っている。今後も焦点はホルムズ海峡を巡る緊張、WTIの高止まり、そして長期金利の動向にある。原油高と金利高が続く限り、ダウ平均は戻りが鈍く、ナスダックも個別好材料頼みの不安定な上昇にとどまりやすい。

株式情報更新 (3月12日)


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