注目銘柄

    注目銘柄 2025/8/26 10:28
    (9984) ソフトバンクグループ インテルに3000億円出資 過去の教訓を踏まえた再挑戦
    ソフトバンクグループは米半導体大手インテルに20億ドル(約3000億円)を出資し、普通株を1株23ドルで取得する。出資比率は約2%の見通しだ。サプライチェーン混乱と競合台頭で苦境が続くインテルにとっては資本増強の追い風となるが、ソフトバンクGにとっても大きな賭けとなる。

    同社はかつてDRAM大手キングストンに出資したが、半導体市況の急変と価格競争で損失を抱え、撤退を余儀なくされた。その経験が尾を引き、ソフトバンクGは半導体メーカーへの直接投資を控えてきた経緯がある。その一方で、2016年には英Armを買収し、設計分野を重視する戦略へとシフトした。

    今回のインテル出資は、AI需要拡大が半導体産業全体を押し上げる流れを見据えたものだ。インテルは最先端プロセスで台湾TSMCに後れを取っているが、先端GPU分野のNVIDIAやサーバー向けCPU市場で存在感を維持している。とりわけ自社工場を活用し、外部からの受託製造事業を拡大しており、ソフトバンクGのグローバルな投資ネットワークとも協調余地が生まれる可能性がある。

    マーケットの評価は分かれる。ソフトバンクGはビジョンファンドを通じ、AI関連スタートアップ投資に注力しているが、直接的な半導体メーカー支援は異例で、収益化まで時間を要する可能性もある。それでも、生成AIブームで演算需要は増す一方であり、過去の失敗を糧にした再挑戦と捉える見方も強い。

    今回の出資は、ソフトバンクGのAI領域における投資戦略を一段と鮮明にする動きであり、そこで得られるリターンがインテルの復活とともに市場で評価されるか否か、注目される。消化までは時間がかかる。

株式情報更新 (8月25日)


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