注目銘柄

    注目銘柄 2025/8/13 18:46
    (9984) ソフトバンクグループ NAV推移とOpenAI評価の感応度
    (9984)ソフトバンクグループの1株当たりNAVは2025年6月末で2万2748円、LTVは17.0%だ。株式価値は39.05兆円、純有利子負債は6.64兆円、NAV合計は32.40兆円となる。株価との乖離は約50%のディスカウントだ。直近5四半期のNAVは3.528兆円→2.901兆円→2.933兆円→2.572兆円→3.240兆円、LTVは7.8%→12.5%→12.9%→18.0%→17.0%で、今期入りで持ち直しが鮮明だ。

    構成の中核はArmで、19.83兆円と株式価値の約51%を占める。SVF2は5.86兆円、SBKKは3.47兆円。Armの価格感応度は高く、Armの時価が1%動くと持株価値が約0.21兆円、1株換算で約±148円動く計算だ。

    財務運営面では「通常時LTV25%未満(非常時35%上限)、2年分以上の償還資金確保」が方針であり、現状の17%は許容範囲内に収まる。8月7日までの自己株取得は4,203万株・3,303億円で、需給の下支え要因となっている。

    OpenAI評価のNAV寄与は、4月にOpenAIへ100億ドルを拠出し、年内条件充足で最大300億ドルまで積み増す枠組みだ。初回資金は事前評価2600億ドル基準で転換権を取得、ポストマネーでは概ね3.7%相当。仮にOpenAIのセカンダリー評価が5000億ドルで定着すれば、初回100億ドル分の含み益は約85億ドル、1株NAVで約+900円程度、最大300億ドルまで実行・同評価なら+2000円超の押上げ余地となる。評価が3000億ドル近辺にとどまれば押上げ幅は大きく低下する。

    OpenAIの事業指標は加速しており、年売上は7月時点で約120億ドル、年末には200億ドル水準が見込まれる。一方で推定キャッシュバーンは年80億ドルに上方修正されたとの見方もあり、評価持続の鍵は収益化の速度とインフラコストの抑制だ。EV/売上でみると評価5000億ドルは年率120〜200億ドル前提で約25〜42倍のレンジとなり、感応度は極めて高い。

    現在のOpenAI投資は未上場株の評価益としてNAVに反映されているが、IPOで市場価格が確定すれば、評価が会計上実現利益に転換する。特に5000億ドル評価水準で上場すれば、100億ドル出資時点の評価(約2600億ドル)との差分で大きな含み益が生まれる。今後数年はソフトバンクグループをホールドすべきと考える。

株式情報更新 (8月13日)


会員ログイン

パスワードを忘れてしまった場合

申込みがまだの方