（6702）富士通は、ネットワークプロダクト事業を分社化し、新会社「1FINITY（ワンフィニティ）」を2025年7月1日付で設立すると発表した。新会社は神奈川県川崎市に本社を置き、代表取締役社長には森林正彰氏が就任する予定だ。グループ内に分散していた人材や機能を1FINITYに集約し、経営判断の迅速化と競争力強化を図る。

分社化の背景には、2030年に向けた中期経営計画の一環として、ネットワーク事業の持続的成長と収益力向上を目指す狙いがある。1FINITYには、光伝送装置やO-RAN準拠の5G基地局装置を中心としたネットワークハードウェアや関連ソフトウェアの研究・開発・製造・販売・保守・運用までの機能が統合される。また、次世代通信技術である6Gの研究機能も新会社に集約される。

さらに、グループ会社である富士通ネットワークソリューションズ、富士通テレコムネットワークス、富士通ネットワークサービスエンジニアリング、モバイルテクノ、Fujitsu Network Communicationsなどの関連事業も1FINITYに承継される予定だ。

2024年3月期のネットワークプロダクト事業の売上高は1,106億円となっており、今後は日本・北米を基盤に欧州やアジア市場への積極展開も計画している。クラウドインフラ企業など新たな顧客層へのアプローチや、AIデータセンター市場への拡大も重点施策として掲げている。