東ソーは東大と共同で、しなやかで割れにくい、金属に匹敵する高い靭性を発現する高強度ジルコニアセラミックスを世界で初めて開発した。高強度ジルコニアは、歯科材料、粉砕ボール、装飾材料、光ファイバー用接続部品、産業機器材料等に広く用いられている。強度を低下させずに金属に匹敵する高い靭性を実現することは困難とされていたが、従来品の高強度ジルコニアよりも、靭性が4倍近く向上した。靭性だけでなく、劣化耐性も優れていた。

東ソーは、2024年度(25年3月期)を最終年度とする中期経営計画で、2000億円投資のうち4割の800億円を高付加価値型のスペシャリティ事業に重点投資する。医薬品向け分離精製剤や歯科材料用ジルコニア粉末、半導体製造向けスパッタリングターゲット、樹脂難燃剤の能力増強などが重点となっている。2022年の生産量は約10,000トンで、世界シェアは約40％を占めている。