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    炭素戦略特集②洋上風力発電
    政府は2050年の発電量の5-6割を再生可能エネルギーとする方針だが、太陽光発電や陸上風力発電は伸びしろが小さいと見られ、洋上風力発電に期待がかかる。政府は、発電能力を2030年までに1000万キロワット、2040年までに3000万から4500万キロワットまで拡大することを目指している。原発30基から40基分に相当するが、発電コストの引き下げが大きな課題となっている。現状では太陽光発電の3倍近い価格がネック。

    確かに洋上風力発電の経済波及効果は大きいが、日本では秋田県や千葉県でプロジェクトが進んでいる程度だ。(8058)三菱商事や(8053)住友商事、(8002)丸紅が電力会社と共同で推進するが、電力系統の問題が必ず出てくる。送電線網の再構築まで視野に入れると巨大ビジネスとなるが、日本企業は風車製造から撤退しており、デンマークのヴェスタスやスペインのシーメンスガメサなど海外大手に席巻されるリスクもある。1000万キロワット導入時点で1基あたりの開発費は数百億円に上り、13兆円以上の経済波及効果があると見られている。

    風車(ブレード)が大きいほど発電効率が上がるため、近年の洋上風力設備は高さが200メートルを超えるものもあるが、日立、日本製鋼所は風車製造から撤退し、三菱重工業もヴェスタスに製造委託している。増速機や発電機、それらを支えるタワーや土台まで含めると、海洋土木に強い企業には恩恵がある。(6502)東芝はGEと発電機や増速機などを格納するナセルと呼ばれる洋上風力の基幹設備の共同生産を検討しているようだが、GEは陸上風力発電で実績があるが、洋上風力発電では出遅れている。

    (1860)戸田建設は、2016年3月に国内初となる浮体式洋上風力発電設備を長崎県五島市で実用化し、商業運転を継続している。(7004)日立造船は、NEDOの次世代浮体式洋上風力発電システム(バージ型)「ひびき」で、浮体設計、製作、設置工事を担当した。2019年5月から北九州市沖で実証実験が行われている。(1824)前田建設工業は山口県下関市沖合約1.8キロの洋上に風車12基を設置。総出力6万キロワットで、運転期間は20年を予定していたが、地元漁業者の反対があり、計画は遅延している。

    浮体式の原油生産貯蔵設備(FPSO)で実績のある(6369)三井海洋開発は、NEDOと浮体式洋上風力発電の低コスト化技術の開発調査研究を開始している。親会社の(7003)三井E&S HDも関連銘柄として上げられる。海洋土木最大手の(1893)五洋建設と(1812)鹿島建設は、10~12メガワットクラスの着床式洋上風力発電施設の基礎と風車の建設用に、1600トン吊りクレーンを搭載したSEP(自己昇降式作業台船)型の多目的起重機船を建造している。投資額は約185億円で、稼働開始は2023年3月の予定。

    世界のSEP船は7割以上をオランダのGustoMSCが占めており、クレーンもオランダのHuisman製を採用する。オランダの風車の伝統が活きているようだ。(1803)清水建設も世界最大級の搭載能力とクレーン能力を備えた、高効率の自航式SEP船を建造している。投資額は500億円で、完成は2022年10月の予定だが、これもGustoMSCが協力している。

    洋上風力で発電した電力を地上に搬送するためには海底ケーブルの需要も喚起する。大きなものでは英国・ベルギー国際連系線プロジェクトに参画した(5802)住友電気工業を始め、洋上風力発電設備の送電海底ケーブルに実績がある(5801)古河電気工業が代表的。

    洋上風力発電を含む再生可能エネルギー関連全般では(9519)レノバが注目される。レノバは、太陽光バイオマス・風力・地熱などの再生可能エネルギーの発電施設を開発・運営しており、開発中の案件は秋田県由利本荘市沖洋上風力プロジェクトがある。陸上風力では福島県の阿武隈、熊本県の苓北陸上風力プロジェクトを開発中。

株式情報更新 (4月22日)


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