注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/11 06:04
    (3101) 東洋紡 26年3月期業績見通しを上方修正 営業益38%増、フィルム事業が収益押上げ
    (3101)東洋紡は、2026年3月期通期の連結業績予想を上方修正した。売上高は4250億円(前期比0.7%増)、営業利益は230億円(同38.1%増)、経常利益は175億円(同65.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は65億円(同224.5%増)を見込む。従来予想(営業利益210億円、純利益45億円)を上回る見通しだ。

    主力のフィルム事業では、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」やセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売が堅調に推移した。包装用フィルムも新設備の稼働率向上で収益性が改善し、部門営業利益は前年同期比56億円増の86億円と大幅に伸びた。環境・機能材では自動車向けが弱含む一方、接着剤や不織布の収益改善が進み、全体の利益押上げに寄与した。

    財務面では営業活動によるキャッシュフローが275億円の黒字と堅調で、有利子負債残高は2624億円に減少した。ROEは年換算で5.8%、自己資本比率は32.6%へ改善した。研究開発費は68億円、設備投資は通期310億円を計画している。

    中期的には「サステナブル・ビジョン2030」に沿って、事業ポートフォリオ改革と収益性改善を進める方針だ。要改善事業の黒字化が進み、包装フィルム・不織布マテリアルなどで生産効率向上とコスト削減を加速する。早期に営業利益300億円、ROE5%達成を目指す。

    業績は底打ち感を示し、フィルム事業を中心に利益回復が鮮明となった。だが自動車・EV関連需要の鈍化など外部リスクも残る。株価は短期的に上昇余地があるが、中期的には収益定着を見極めたい局面だ。

株式情報更新 (11月12日)


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