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    ラピダス関連株
    Rapidus(ラピダス)は、2022年8月に、日本の主要企業8社の支援を受けて設立。2025年に試作ラインを稼働させ、2027年を目途に2nm以下の先端ロジック半導体の開発・量産を行うことを目指している。計画実現に向けては今後10年程度でおよそ5兆円規模の投資が必要と見込まれている。

    最先端のロジック半導体を量産できる技術で、4nm~7nmのロジック半導体を生産できるのは、台湾TSMCと韓国サムスン、インテル、IBMに限られている。台湾と韓国の企業という点で、地政学リスクが懸念される。

    Rapidus(ラピダス)はソニー、トヨタ自動車、デンソー、キオクシア、NTT、NEC、ソフトバンク、三菱UFJ銀行など、日本国内大手企業8社が出資し、半導体の専門家集団が設立した半導体新会社。日本政府も700億円の開発費を拠出している。政府は2600億円の追加支援を決定した。

    2nm最先端ファウンドリを日本で実現するため、ベルギー半導体国際研究機関imec(アイメック)と最先端半導体技術の長期的、持続可能な協力に向けた覚書を締結した。アイメック最先端半導体製造で必要なEUV露光装置を保有しており、ASMLが独占状態にあるEUV露光装置で共同研究開発する関係にある。

    複数の異なるチップをワンパッケージとして1つにまとめる「ヘテロジニアスインテグレーション(異種集積)」について、ラピダスが日本国内の半導体メーカーを主導することを基本方針としている。

    ラピダスは、米IBMの開発拠点の米Albany NanoTech Complex(アルバニー・ナノテク・コンプレックス)にエンジニアを派遣し、2nm最先端技術の習得に努めている。今後は派遣先をアイメックにも拡大し、EUV(極端紫外線)露光装置のノウハウを学ぶ。アイメックは東京と北海道に日本拠点を設ける。

    ラピダスは最先端ロジック半導体の大量生産を目指すのではなく、顧客の企業ニーズに応じて一定の量を生産する方針で、TSMCがアップル向けの半導体を生産するようなことはしない。汎用のGPUから専用のAIチップに変わる中規模需要を狙う。

    半導体設計部分には入っていかないが、コストの削減や開発期間の短縮につながるような設計支援は手掛けてる意向で、(6228)ジェイ・イー・ティに研究委託した枚葉式洗浄装置が注目される。

    ロジック半導体で、FinFETという構造があるが、2ナノの半導体は全く違う。IBMが開発したGAAというテクノロジーを使って製造されるため、日本が出遅れたFinFETをスキップできる。つまり、2nm最先端ファウンドリで現在のTSMCを凌駕することが期待される。

    現在の政府補助金は試作ラインの完成を念頭に置いている。量産化を見据えれば、この先数兆円の追加支援を行う覚悟が必要だ。ラピダスはまさに国策、後には引けない。


    長瀬産業は、2023年11月にラピダスが北海道千歳市に建設する半導体工場に、半導体材料を本州から北海道に向けて輸送を手配するとりまとめ業者の1社に選定された。

    SoC(システムオンチップ)の設計を手掛けるソシオネクストはラピダスからの受注思惑が出ている。

    日本酸素 HD傘下の産業ガス大手の大陽日酸は、ラピダスの次世代半導体工場の敷地内に、産業ガスの製造施設を建設する。2024年7月に着工し、ラピダスが25年に稼働させるパイロットプラント向けに供給する。設備工事大手のダイダンは、ラピダス次世代半導体工場の配管工事の設計・施工業者に選定された。

    鹿島建設は、ラピダス建設する最先端半導体工場のうち、「Rapidus IIM(イーム)建設計画」の設計・施工者に選定された。カナモトは、北海道を地盤とした建機レンタル大手で、ラピダス半導体工場建設に伴う大型案件を受注している。

    「ラビダス」関連
    1812 鹿島建設
    1980 ダイダン
    4091 日本酸素 HD
    6526 ソシオネクスト
    6701 日本電気
    6758 ソニーグループ
    6902 デンソー
    7203 トヨタ自動車
    8012 長瀬産業
    9432 NTT
    9434 ソフトバンク
    9678 カナモト

株式情報更新 (5月14日)


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