注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/23 10:54
    (7014) 名村造船所 造船業再興へ3500億円投資構想 名村造船など関連株一斉高
    名村造船所が急騰している。23日付の日本経済新聞が、今治造船など国内17社が加盟する日本造船工業会が総額3500億円規模の設備投資を表明する方針と報じた。政府が掲げる「2035年までに国内建造量を倍増させる」目標に沿った動きであり、同業界の中核企業として名村造船に思惑買いが集まった。投資は主に新造船ドックや生産設備の更新に充てられる見通しで、政府への支援要請も行うという。

    名村造船所は中大型船舶の建造を得意とする造船大手で、再編後の経営効率化や海外需要の回復を背景に業績が改善している。2025年3月期は売上高1592億円(前期比18%増)、営業利益294億円と大幅増益を達成。2026年3月期は売上1580億円、営業利益210億円と減益を見込むが、高水準の利益を維持する計画だ。年間配当は前期50円から40円へと減配を予定するが、安定配当姿勢を保つ。

    今回の大型投資計画は、名村造船を含む業界全体の生産力増強と国際競争力の回復を狙うもので、中国・韓国勢との競争を念頭に置いた国家戦略の一環とみられる。報道を受け、ジャパンエンジンコーポレーション(6016)や三井E&S(7003)、内海造船(7018)など関連銘柄にも買いが波及している。市場では「政府支援が実現すれば、名村造船の収益基盤強化につながる」との見方が広がっている。

    短期的には政策テーマ性で株価上昇が見込まれるが、3500億円の設備投資には巨額の資金負担も伴う。政府支援の具体策や受注環境の持続性が焦点となるため、中長期では支援規模と収益回収スピードを見極めたい局面だ。

株式情報更新 (10月23日)


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