米国株式市場は22日、米中対立への警戒感を背景に反落した。ニューヨークダウ工業株30種平均は前日比334ドル安の3万8950ドルで取引を終えた。報道によると、トランプ政権が米国製ソフトウエアを搭載した製品の対中輸出規制を検討しているとされ、ハイテク株中心に売りが広がった。

加えて主要企業の決算も市場のムードを冷やした。動画配信大手のネットフリックスが発表した7〜9月期決算は、加入者数の伸びが市場予想を下回り、株価は大幅安となった。半導体大手のテキサス・インスツルメンツ（TI）も需要の減速を示唆し、売りが膨らんだ。

S＆P500種指数は1.1％安、ナスダック総合指数も1.4％下落した。米中摩擦の再燃によるサプライチェーンの不透明感や、ハイテク銘柄の業績に対する高い期待が一段と修正されつつある。市場関係者の間では「トランプ政権の輸出規制が現実化すれば、AI半導体から自動車まで幅広い業種への影響が避けられない」との声が多い。