沖電気工業（OKI）と東北大学は、光インターネットサービスで採用されるパッシブ光ネットワーク（PON）システムを効率よく運用することを目的に、必要な通信量を人工知能（AI）で予測して効率よく資源を割り当てる「仮想化資源制御技術」を開発した。

PONは、光ファイバーを共有することで、低コストで高速な光通信を実現するネットワーク技術だ。しかし、通信量の予測が難しいため、利用状況に応じて適切に資源を割り当てることができず、効率的な運用が課題となっていた。

今回開発された技術は、AIを用いて通信量の変化を予測し、その予測結果に応じて波長資源を割り当てる。これにより、通信量の増減に応じて柔軟に資源を調節できるようになり、消費電力の削減やネットワークの安定稼働につながる。

このPONスライス制御技術によって、膨大なアンテナと基地局をつなぐ光通信ケーブルの効率的な運用が実現できるようになるため、スポーツイベントや交通渋滞などの不定期に人が集中するエリアや、時間帯で人が集中するエリアなどで効果を発揮することが期待される。