スイスの大手金融機関ＵＢＳグループ傘下のＵＢＳグローバル・ウェルス・マネジメントは、世界株式の投資判断を従来の「ニュートラル（中立）」から「アトラクティブ（魅力的）」に引き上げた。人工知能（ＡＩ）関連分野の投資拡大による生産性向上が見込まれ、さらに米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が金融緩和局面へシフトしたことを背景に、株式市場の先行きに対する見方を一段と強めた。

同社は「構造的なトレンドは依然として堅調であり、主要なＡＩ関連企業同士の戦略的提携が、持続的な設備投資サイクルと収益成長への信頼を高めている」と指摘した。これにより、ＡＩを中核とするテクノロジー産業が中長期的に世界の株価押し上げ要因になるとの認識を示した。

また同報告書では、米国の政策金利引き下げによって景気後退リスクが後退するとの見方を提示。企業の資金調達環境が改善し、消費者マインドの回復にもつながるとして、幅広いセクターでの収益基盤の底上げを予想した。

市場では実際に、米ハイテク株を中心に過去最高値を更新する事例が相次いでおり、欧州・アジア市場にもその波及が広がっている。ＵＢＳは「ＡＩと金融政策が同時に市場を支える局面が到来している」と分析し、世界の株式投資環境が再び強気基調に入りつつあることを示唆した。