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    セントルイス連銀総裁、金融緩和を急ぎすぎることはリスクが高い
    米セントルイス連邦準備銀行のムサレム総裁は、米国経済の現状と金融政策について講演を行った。同氏の発言は、米国経済の堅調さとインフレ抑制への課題を示唆し、今後の政策運営における慎重なアプローチを強調する内容だった。

    ムサレム総裁は、米国経済が堅調であることを指摘した。実質GDPは長期的な潜在成長率を上回り、家計や企業の支出が高水準を維持している。また、労働市場は完全雇用に近い状態であり、失業率も自然失業率を下回る低水準にあると述べた。一方で、インフレ率はピーク時から大きく低下したものの、コア個人消費支出(PCE)価格指数ベースでは依然として目標の2%を上回る約3%の水準に留まっている。

    公開市場委員会(FOMC)は最近2回の会合で政策金利を合計75ベーシスポイント引き下げたが、それでもなお金融引き締め的なスタンスが維持されている。これは、インフレ率が目標を上回り続けていることや労働市場が依然として強い状態にあるためだ。総裁は、このような状況下で金融緩和を急ぎすぎることはリスクが高いと警告し、慎重な政策運営が必要だと述べた。

    ムサレム総裁は、今後2年間でインフレ率が2%に収束するとの見通しを示した。その過程では、商品やエネルギー価格の低下だけでなく、住宅やサービス部門の価格低下も重要になると指摘した。また、経済活動は長期的な潜在成長率に向けて緩やかに減速すると予想される一方で、労働市場は引き続き完全雇用に近い状態を維持しつつも若干の冷却が進む可能性があるという。

株式情報更新 (5月20日)


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