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    炭素戦略特集①液化水素
    一般的に水素は液化天然ガス(LNG)を水素と二酸化炭素に分解する。製造段階で発生する二酸化炭素を回収し、ドライアイスの製造に利用したり、地下に貯留することから「ブルー水素」と呼ばれている。太陽光や風力で発電した電気を用いる場合は「グリーン水素」と呼ばれる。

    ●液化水素は、体積が水素ガスの800分の1のため大量貯蔵・輸送が可能な上、高純度のため精製せずにFCV用燃料や半導体・液晶などの精密分野に用いることが出来る。液化水素は日本国内で(8088)岩谷産業が1日44トン程度を生産しており、水素をマイナス253℃まで冷却して体積を800分の1まで減少させ、圧縮水素に比べ運搬効率が最大12倍と高いため、エネルギーの本命と見られている。

    (7012)川崎重工業は1日あたり5トンの液化水素(FCV1000台相当の燃料)の製造が可能な国内メーカー製初の水素液化機を開発した。水素の液化工程において不純物の混入を排除することにより、99.999%の高純度な液化水素を実現する。

    岩谷産業と川崎重工業、オーストラリアの大手鉄鉱石生産会社であるFMGは、再生可能エネルギー由来の液化水素サプライチェーンの事業化に向けた検討を開始するための覚書を締結した。オーストラリアなど世界各地で太陽光風力発電の電力を用いて製造した「グリーン水素」を液化し、液化水素運搬船で日本に輸入し、液化水素製造タンクに貯蔵、水素ステーションなどで活用する。

    川崎重工は、世界最大級となる貯蔵容量1万立方メートルまでの球形液化水素貯蔵タンクの基本設計を完了した。これまでにも種子島宇宙センターや神戸空港島(2500立方メートル)などへ設置実績がある。

    (8001)伊藤忠商事と(8133)伊藤忠エネクス、仏エア・リキードは岩谷産業と同程度の規模の水素を製造し、水素ステーション事業を共同で展開する。生産する液化水素は30トン(FCV4万2000台相当の燃料)規模で、エア・リキードが米国で建設している施設と同規模で、世界最大級と見られる。


    ●水素ボンベによる供給から、水を電気分解して高純度の水素ガスを発生供給するオンサイト(現地)型水素発生装置も実用化されている。(6331)三菱化工機は都市ガス(天然ガス)やLPGから高純度(99.999%以上)の水素ガスを製造するHyGeia(ハイジェイア)シリーズで、50基近い納入実績がある。(7004)日立造船もオンサイト型水素発生装置HYDROSPRING(ハイドロスプリング)を「経済産業省・スマートコミュニティ導入促進事業」に水素貯蔵タンクとともに納入した。


    全国に展開する水素ステーションは現在137カ所で、いずれも閑古鳥が鳴いているという。東京ガスが燃料電池バス用に設置した充填設備が唯一の成功例と言われる中で、水素そのものの価格低下、製造設備のコストダウンは欠かせない。国は2030年までに供給コストを現在の3分の1にあたる30円まで引き下げ、導入量を最大300万トンという目標を掲げているが、実現は容易ではない。それでも世界の潮流に取り残されるわけには行かない。

株式情報更新 (4月22日)


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