注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/30 11:01
    (9984) ソフトバンクグループ OpenAIのIPO成功がもたらす「第二のアリババ効果」
    (9984)ソフトバンクグループにとって、OpenAIのIPO(株式公開)が成功すれば、資産価値と戦略的影響力の両面で大きな恩恵がもたらされる可能性が高い。

    ソフトバンクは2025年3月、OpenAIに数十億ドル規模の出資を行ったとされる。報道によれば、当時のOpenAIの評価額は約3,000億ドル(約42兆円)であり、ソフトバンクは同ラウンドの中心投資家だった。出資比率は公表されていないが、市場では数%規模(1〜3%程度)との推定が多い。現在、OpenAIの評価額は5,000億ドル(約75兆円)へ上昇しており、仮にソフトバンクの持分が2%なら評価額は約100億ドル(約1.5兆円)に達する計算となる。

    OpenAIのIPOが成功し、時価総額が想定レンジ上限の1兆ドル(約150兆円)に達すれば、ソフトバンクの保有株式価値は最大200億ドル(約3兆円)規模まで拡大する見通しだ。これは、同社がかつて中国アリババ株で得た莫大なキャピタルゲインに次ぐ「第二のアリババ効果」として市場が注目する構図である。

    資本面での恩恵に加え、OpenAIとの連携による戦略的波及効果も見逃せない。ソフトバンクは国内通信事業や孫正義会長主導の「AI群戦略」において、生成AIの応用領域(教育物流、金融、自治体業務など)を拡大中だ。OpenAIが上場により資金調達力を高め、AIモデルやインフラ開発を加速させれば、ソフトバンク傘下の企業群(SBテクノロジー、アームLINEヤフーなど)に技術・事業シナジーが波及する可能性が高い。

    さらに、OpenAIがマイクロソフトやエヌビディアに並ぶ世界的AIプラットフォーマーとして地位を確立すれば、ソフトバンクのAI投資戦略全体の信頼性向上にも寄与する。孫会長が提唱する「AIインフラ時代への備え」を象徴する投資案件となり、同社のNAV(純資産価値)評価にも上方圧力がかかる見通しだ。

    一方で、リスク要因としては、IPO時の評価倍率が過熱した場合の反動や、出資比率が少数にとどまることによる影響力の限定性が挙げられる。OpenAIの経営は非営利母体が監督する公益法人構造のため、ソフトバンクが経営権や意思決定に直接関与する余地は限られる。それでも、IPOによる評価顕在化は、同社のポートフォリオの含み益拡大につながる公算が大きい。

    総じて、OpenAIのIPOが順調に進めば、ソフトバンクは財務・象徴・戦略の三つの軸で恩恵を受ける。特に、AI領域での資産再評価は市場心理を刺激し、同社株に再び「AI関連の本命」というテーマ性を与える可能性がある。

    評価:強気(Buy)
    OpenAI上場成功により、ソフトバンクのAI関連資産価値が顕在化する可能性が高い。IPO後のOpenAI評価が1兆ドル水準となれば、同社のNAVは2兆〜3兆円規模押し上げられる見通し。短期的には話題先行だが、中期的にはAI群戦略の核心銘柄として再評価が進む局面だ。

株式情報更新 (10月30日)


会員ログイン

パスワードを忘れてしまった場合

申込みがまだの方