（9021）JR西日本は、2025年度内にディーゼル車を用いた営業列車へのバイオディーゼル燃料の本格導入を開始する方針を明らかにした。バイオマス由来の再生可能燃料を活用することで、温室効果ガスの排出削減を進め、2030年をめどにディーゼル車両の燃料を100％バイオディーゼルへと転換する計画だ。

今回の取り組みは、同社が目指す「ゼロカーボン・チャレンジ2050」に基づく施策の一環であり、非電化区間でのCO？削減策として注目されている。導入初期には、植物油や廃食油を精製した「B5（バイオディーゼル5％混合）」などの燃料を段階的に使用し、既存のディーゼルエンジンにも適合する形で検証を進める。

バイオディーゼルは、燃焼時に排出されるCO？が原料植物の光合成によって吸収されるため、カーボンニュートラルを実現可能な再生可能エネルギーとされる。JR西日本では、すでに2023年度から一部区間で試験運行を実施しており、安全性や燃費性能、メンテナンスコストへの影響を検証してきた。

今後は、主に山陰本線や紀勢本線など非電化区間での実装を進めるとともに、地元自治体や燃料供給企業との連携も強化していく。燃料の安定供給体制の構築が課題となるが、自治体と連携した地産地消型モデルの検討も進んでいる。