スポーツ専門店のゼビオ ＨＤは、プロサッカーの東京ヴェルディを買収する。東京ヴェルディは伝統のクラブチームだが、現在はＪ２に降格しており、新型コロナウイルスによる観客数の激減で約10億円の債務超過に転落する見込みとなっている。ヴェルディは増資による再建を目指していたが、ゼビオは反対し、社長ら経営陣4人の退任などを要求し、敵対的買収との印象を与えている。ゼビオは11％の株を保有するが、新株予約権を行使し、過半数を握る筆頭株主となった。

ゼビオはのれん代を一括償却し、7億5000万円を特別損失に計上する。3月通期営業利益は26億円から30億円へ上方修正したが、純利益は7億7300万円から1億4900万円へ下方修正した。現金支出は伴わず、期末配当は15円を据え置く。何やら不協和音が聞こえてくるが、日本テレビがスポンサーを降りた後、ゼビオが救済した経緯があり、東京ヴェルディの抵抗もむなしさがある。