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(6594) ニデック 財務不透明感で格下げ方向 ムーディーズが警戒
財務不透明感で格下げ方向 ムーディーズが警戒
ムーディーズ・ジャパンは3日、ニデックの発行体格付け「A3」(シングルAマイナスに相当)について、格下げ方向で見直すと発表した。背景には、連結子会社の取引や関税処理に関する追加調査が続く中、財務諸表の修正可能性が生じており、財務報告の質と信頼性に対する不確実性が増していることがある。
同社は7月24日付で「2026年3月期第1四半期業績速報値」(4〜6月期)を公表したが、これは暫定的な数値と断りをつけたものだ。速報値によると、売上高は6,379億円(前年同期比1.6%減)、営業利益は615億円(同2.3%増)、税引前利益589億円(同24.8%減)、純利益は456億円(同18.7%減)となり、増収効果を確保しつつも最終利益は大きく減少した。追加調査の結果次第では数値が修正される可能性も示されており、開示姿勢への信頼感が揺らいでいる。
通期業績については、現時点で売上高2兆4,000億円、営業利益1,300億円、純利益800億円の計画を据え置いている。ただし、EVモーター事業など成長領域への先行投資が継続しており、収益力の改善には外部環境や価格競争の行方が大きく影響するとみられる。財務基盤では有利子負債の増加が進んでおり、キャッシュフロー創出力の回復が急務となる。株主還元は年間65円配当の維持を掲げている。
今回の格付け見直しは、同社のガバナンス体制と財務開示をめぐる市場の不信感を象徴する動きである。投資家は、ニデックが掲げる強気の成長シナリオを実現できるか、それとも財務リスクが一段と顕在化するかを厳しく見極める局面にある。
ムーディーズ・ジャパンは3日、ニデックの発行体格付け「A3」(シングルAマイナスに相当)について、格下げ方向で見直すと発表した。背景には、連結子会社の取引や関税処理に関する追加調査が続く中、財務諸表の修正可能性が生じており、財務報告の質と信頼性に対する不確実性が増していることがある。
同社は7月24日付で「2026年3月期第1四半期業績速報値」(4〜6月期)を公表したが、これは暫定的な数値と断りをつけたものだ。速報値によると、売上高は6,379億円(前年同期比1.6%減)、営業利益は615億円(同2.3%増)、税引前利益589億円(同24.8%減)、純利益は456億円(同18.7%減)となり、増収効果を確保しつつも最終利益は大きく減少した。追加調査の結果次第では数値が修正される可能性も示されており、開示姿勢への信頼感が揺らいでいる。
通期業績については、現時点で売上高2兆4,000億円、営業利益1,300億円、純利益800億円の計画を据え置いている。ただし、EVモーター事業など成長領域への先行投資が継続しており、収益力の改善には外部環境や価格競争の行方が大きく影響するとみられる。財務基盤では有利子負債の増加が進んでおり、キャッシュフロー創出力の回復が急務となる。株主還元は年間65円配当の維持を掲げている。
今回の格付け見直しは、同社のガバナンス体制と財務開示をめぐる市場の不信感を象徴する動きである。投資家は、ニデックが掲げる強気の成長シナリオを実現できるか、それとも財務リスクが一段と顕在化するかを厳しく見極める局面にある。