株テーマ:SiC(炭化ケイ素)半導体の関連銘柄

SiC(炭化ケイ素)半導体関連株。SiC(炭化ケイ素)パワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体材料。SiC半導体デバイスをHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)に搭載すると、現状のシリコン半導体に比べて車載充電器やコンバーター、インバーターなどのサイズを小型化し、効率を大きく高められる。三菱電機、富士電機、東芝、ロームが大手と見られる。

富士経済は、2022年5月にSiCパワー半導体の世界市場規模が2022年は1206億円、2030年は9694億円になるとの予測を発表した。各国の脱内燃車に向けた動きから2025年には自動車・電装分野で半数を占める。また、低価格化によりシリコンパワー半導体からの置き換えが進み、高級車だけでなく幅広い車種でも採用される見通し。


住友電気工業が、富山県にSiCウエハーの新工場を建設すると報じられた。兵庫県の既存工場に設ける新ラインと合わせて約300億円投資し、2027年からEVの航続距離を1割伸ばせるSiCウエハーを量産するもよう。

ルネサスエレクトロニクスは、2023年内にも炭化ケイ素(SiC)パワー半導体への投資を開始し、2025年に量産化を目指す。ルネサスエレクトロニクスは、半導体製品を手掛ける米ウルフスピードからSiC(炭化ケイ素)ウエハーの供給を受ける契約を結んだ。ウルフスピードから10年間にわたり高品質なSiCウェハの供給を受けることで、ルネサスは2025年に予定するSiCパワー半導体の量産開始に向け、大きく前進する。

三菱電機は、2021年度から2025年度に2600億円を投資。パワーデバイス事業の売上高を2021年度予想の1840億円から2025年度に2400億円以上、営業利益率を2021年度予想の5%から2025年度に10%以上を目指す。2030年まで成長する市場を小型・中型EVと想定。SiC市場は高価なバッテリー削減や充電時間短縮に適したSiCの早期拡大や前倒しの可能性があるとし、SiCの取り組みを強化する。

タカトリは、パワー半導体向けSiC材料切断加工装置の大口受注を獲得している。

富士電機はトヨタ系に強く、2023年度に売上高1兆円、営業利益800億円という新中期計画で、自動車用パワー半導体は46%増の2000億円、営業利益を41%増の220億円へ向けて積極投資に転じた。

SiCパワー半導体で世界一を狙うロームは、SiC事業目標として2026年3月期の売上高を1000億円、2022年3月期から2026年3月期に1200億円~1700億円を投資する計画。

東芝は、EVモーター制御などに使うパワー半導体増産に250億円を投資する。2019-2023年度の5年間で1000億円を投じ、5割増産の計画を打ち出していた。製造子会社の加賀東芝エレクトロニクスには200ミリウエハー対応の製造設備を導入していたが、300ミリウエハー対応の装置を導入し、2023年度の稼働を目指す。

レゾナックは、2021年から2030年の長期ビジョンでSiCポテンシャルを引き出す素材パッケージ提案を行い、トップシェアを狙う戦略。自動車の電子制御化で電子デバイス搭載による熱の課題が新たに発生する見通しで、熱マネジメント材料の提供企業の中で唯一SiCエピウエハーを持つことを武器とする

レーザーテックはSiCウェハ欠陥検査/レビュー装置を展開する。

日立グループの日立パワーデバイスは、SiCを用いたパワーデバイスの新製品「TED-MOS」のサンプル出荷を2021年3月から開始する。2018年に鉄道向けにリリースした「DMOS-FET」の性能をさらに高めたことや多様な用途に合わせた製品設計を可能にしたことから、輸送用機器向けに加え、社会インフラのイノベーションに向けた製品の開発・提供を進める。売上高で2030年度に19年度比30倍の300億円を目指す。

三社電機製作所は、1200V耐圧2素子入り「SiC-MOSFETモジュール」の量産を2019年4月から開始。主な用途として、産業用インバーターやEV充電器を挙げている。半導体事業は、2021年3月期の販売には十分に寄与はできなかったものの、2022年3月期は「SiC-MOSFETモジュール」のビジネスの軌道化などを推進する。

住友金属鉱山は、2021年からSiC半導体ウエハを供給する。価格も1-2割下がる見通し。

オキサイドは、高品位のSiC単結晶製造が期待される溶液法での育成を目指すスタートアップUJ-Crystalと資本業務提携。SiC単結晶の量産会に向けた研究開発で提携する。

住友電工は、電力の制御や供給の効率を高めるパワー半導体向け基盤の量産を開始。安永は、パワー半導体に用いるセラミックス基盤を高速・高精度に検査できる3D光学式外観検査装置を開発。村田製作所はまだ売上を計上していないパワー半導体ベンチャーの「アークティックサンドテクノロジー」を買収した。

東京工大は2020年9月、SiCパワー半導体の課題となっていた欠陥の数を1割低減させ、10倍の高性能化を実現する手法を開発した。欠陥がなければSiCパワー半導体はSi半導体の500倍の性能が得られると期待されている。

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