ディー・ディー・エスは、2021年6月17日、指紋認証用センサモジュール及び指紋認証装置に関する特許出願で、米国で特許査定通知を受領したと発表した。特許は薄型で高解像度な指紋センサを実現するための構成に関するもので、半導体製造プロセスで実現されるマイクロレンズを、COMOSイメージセンサ上に複数配置し、撮影された複数のイメージをソフトウェアで合成することで、高解像度の指紋画像を得ることができるという。スマートフォンなどのOLEDディスプレイの下に配置して使用することも可能としている。

また、ID統合管理ソリューションを提供するエクスジェン・ネットワークスとID統合管理ソフトウエア「LDAP Manager」の販売における代理店販売契約を締結したと発表した。

テレワークやクラウドサービスの広がりで、ファイアウォールなど外は脅威・内は安全という境界型セキュリティモデルの課題が浮き彫りになり、システムやデータにアクセスする人物・端末を信用せず、都度検証するゼロトラストセキュリティモデルが提唱されており、そこで重要となる第一のポイントがID管理とアクセス制限であるという。

「LDAP Manager」は、ID管理基盤として700法人を超える導入実績と国内出荷本数のシェアが1位であり、ディー・ディー・エスのリソースにアクセスする人物を厳格に確認する多要素認証基盤とワンストップで提供できる環境を整備。今期の販売は他ID統合管理ソフトウェアも含め1億円を予定するとしている。

ディー・ディー・エスの株価は本日0.95％高の213円で、6月に入り持ち直しの動きがみられる。特許技術やセキュリティ・ソリューションの拡充による今後の展開に注目したい。

なお、ディー・ディー・エスの業績は、2017年は▲0.83億円、2018年は▲2.03億円、2019年は▲2.66億円、2020年は▲1.69億円と▲2億円あたりで横ばいで推移している。