株テーマ:生分解プラスチックの関連銘柄

バイオプラスチック(生分解プラスチック)関連株

日本バイオプラスチック協会では、プラスチックそのものに生分解性があり、添加剤の力を借りなくても微生物の働きにより環境中で生分解が進み、6ヶ月~2年程度の期間で最終的に二酸化炭素と水になる性質を持つプラスチックのみを生分解性プラスチックと認定している。

植物を原料とする「バイオプラスチック」と、使用後に自然界の微生物に分解される「バイオプラスチック(生分解プラスチック)」がある。原油価格高騰と地球温暖化の影響で需要が拡大している。政府はプラスチックゴミの大幅削減を目指す「プラスチック資源循環戦略」を策定する。レジ袋やトレーの使用を抑制する一方、再利用や植物由来のバイオプラスチック、生分解プラスチックの普及を促す。生分解プラスチックの世界生産はプラスチックの1%に過ぎず、今後需要の拡大が期待される。

2018年、EUが使い捨てプラスチック製のレジ袋やストローの使用禁止を打ち出し、米スターバックスは2020年までにプラスチック製ストローを廃止、マクドナルドも紙製ストローに切り替えるなどの動きが出ている。日本では、2020年7月から全ての小売店を対象にレジ袋の有料化が義務付けられる。プラスチックの削減に向けた意識改革を促すためで、違反には罰金も科せられる。レジ袋は廃プラの2%程度と割合は少ないが、脱プラの機運は高まっていこう。植物を原料とするバイオマスプラスチックとバイオプラスチック(生分解プラスチック)は対象外となる。


カネカは、世界的な使い捨てプラスチックの規制強化の中、FDAに加え、2019年1月に欧州委員会で果物・野菜袋用途などの包装材料として「カネカ生分解ポリマーPHBH」が認定。さらに全ての食品用途に対する欧州委員会での審査が終了し、2019年9月に欧州全域でも使用が可能となった。また、セブン&アイホールディングスとマイクロプラスチック問題への解決素材「カネカ生分解ポリマーPHBH」を用いた各種製品の開発を進め、2019年秋をめどにセブンカフェ用のストローで導入を開始。資生堂とは化粧品容器の共同開発を行う。

カネカはPHBH製造設備のための資金調達で、日本の化学会社として初めて50億円のグリーンボンド(環境債)を発行しており、能力増強に留まらず本格的量産プラントの建設を決定する見通しで、数年後には現状の100倍となる年10万トンに増やす方針。

カネカの100%植物由来で海中で分解される海洋生分解性を持つ樹脂「グリーンプラネット」が鮮魚を運ぶ魚箱(通常は発泡性ポリスチレンビーズが用いられる)に採用された。地球規模でのプラスチック汚染が問題となり、海洋マイクロプラスチック問題への対策が急がれる中、海洋汚染対策解決の扉を開くことになる。海水中(30℃)で、生分解度が6ヵ月以内に90%以上になることで、ベルギーの国際認証機関から認証を取得している。

100%植物由来の生分解性ポリマー「Green Planet(グリーンプラネット)」は、30年までに最高2000億円の年間売上高を目指す。150億円を投じ、生産能力を年1万5000トンとし、2024年1月に稼働、25年度売上500億円を目指す。ま



グンゼは、2019年12月に「プラスチック資源循環基本方針」を制定した。グンゼは食品包装用のナイロンフィルムや野菜・お菓子の包装に用いるOPPフィルムなどを製造しており、ペットボトルや洗剤容器の包装では市場シェア3割を持つ最大手。使い捨てプラスチックに対する規制強化の流れで、製造会社の社会的責任を果たすため、プラスチックの減量化・再利用の促進や、植物由来原料による製造開発を行い、石油化学原料の使用量削減を打ち出した。原料の半分を植物由来に切り替え、順次比率を引き上げる。

三菱ケミカルは、タイ石油公社と共同でストローに使える生分解プラスチックの新素材「BioPS」を開発。京浜急行電鉄及び運営する施設で2019年4月から使用が開始された。

ユニチカは、トウモロコシなど植物由来のポリ乳酸をベースにしたバイオマスプラスチック「テラマック」でストロー向け樹脂グレード「TP-5040」を開発。国内外に向けた販売体制を整え、新規顧客を開拓する。凸版印刷とGSIクレオスは生分解性プラスチックを用いたレジ袋を開発しコンビニエンスストアなどでの普及を見据える。

凸版印刷とGSIクレオスは、生分解性プラスチックを用いたレジ袋を開発し、コンビニエンスストアなどでの普及を見据える。GSIクレオスは、イタリアのNovamont社が製造する生分解性樹脂「Mater-Bi(マタビー)」の輸入販売を行っている。Mater-Bi(マタビー)は、植物由来ポリマーやトウモロコシ澱粉が原料で、堆肥に埋めると水と二酸化炭素に分解され、海洋分解性もあることから、欧州で最も使用実績のある生分解性プラスチックとなっている。

住友化学と積水化学は、家庭の可燃ごみを原料とした基礎化学品の生産の事業化を目指す。積水化学がごみ処理施設で集めた可燃ごみを一酸化炭素と水素に分解し、微生物の働きでエタノールを合成。住友化学が独自開発の触媒を使って分解し、レジ袋や雑貨、自動車部品まで幅広く使われるポリオレフィンの原料となるエチレンを合成する。2022年度から試験運転し、2025年の事業化を目指す。

ユーグレナはミドリムシから取り出した糖分をプラスチック樹脂に混ぜバイオマスプラスチックを作り、石油由来と同等の価格を目指す。

NEC(NECプラットフォームズ)は、独自開発のセルロース系樹脂「ニューサイクル」でバイオプラスチック市場に参入する。釣り具などの用途を想定している。クラレとニチモウは、生分解性プラスチック製漁具を開発する。日本に漂着するプラごみ全体の4割を漁具が占めるため、環境負荷の小さい製品を開発する。


ダイセルは、海洋生分解が可能な酢酸セルロース樹脂について2022年度中にシート状製品を市場投入する。酢酸セルロースは木材繊維や綿花等、非可食性植物由来のセルロースを原料としているバイオマス素材で、高い生分解性を持ち、土中や海水中で生分解される。

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